林道使用にあたり、必要な知識などについて簡単にまとめました。
決して説教をしようなどと考えている訳ではありませんが・・・

林道の存在意義

林道は大きくわけて
  • 作業林道
  • 観光林道
になり、日本の林道のほとんどは、前者の作業林道です。その中でも、治山などを目的とする道や、農林水産業(水産業は少ないかな?)のために使用されるもの、また地域間を接続する幹線道路の役割を持つものもあります。幹線道路の役割を持っているものとしては、兵越林道(R152の不通区間をつなぐ)、中津川林道(埼玉、長野を結ぶ)井川雨畑林道(静岡・山梨を結ぶ)などがあります。
 また、観光林道としては、石川・岐阜間の白山スーパー林道、妙義荒船林道(群馬・長野)、よもぎこば林道、美ヶ原林道(長野)等があり、有料道路だったりもします。  

林道は誰のモノ?

 民有林の林道は、ほとんどの場合、私有地に道がある場合がほとんどです。(公で、道の部分だけ土地を購入していることもありますが、その土地で作業する人々の利便性のために、登記上よりも広い道だったりしているようです)
 ただし道の造成については、税金で作られている場合もあるようですが・・・
 公有林の林道は、多くが税金で作られているでしょう。
林道は、管理しないと走れたものではありません。下草刈り等の作業は地元の有志により無償で行われていることも多々あります。
 ですから、「ガソリン税払っていてそれで作ってるんだから、走る権利がある」といった権利の主張は、必ずしも正しいとは言えないかなとも思いますが。  

林道の情報源

 昭文社から発行されているツーリングマップルシリーズは、最近ではもっとも有力な情報源だと思います。
 また、林道ネットワーク、林道大全といった林道関連の単行本や、ジパングツーリングといった月刊誌等があります。
 また、国土地理院発行の1:25000の地形図などは、林道の位置を確認した後に地形を確認したりするのには便利ですが、ハイキング等で使われない山の場合、情報の更新が遅いです。
 地形図系では、ハイキング用の昭文社から出ている「山と高原地図」シリーズの山域を走る場合は、本屋で立ち読みされると、林道情報が書いてあります。「ここに車止め有り、4〜5台駐車可能」等という情報は林道屋にとってはかなり重要な情報に属すると思います。また、避難小屋などの情報も載っている場合がありますから、要チェックです。  

通行止め・通行禁止の林道

 林道にでかけてみようと思って、適当に地図みて林道にアプローチすると、多くの入口で「通行禁止」や「通行止」と書かれています。基本的にはこのような林道は通行できません。
 ただし、その通行止めの理由が災害復旧工事のためだったりして、工事が既に終わっていたり、過去に制定されたものである場合で、現状ではルールが変わっていたり、もしくはその林道を管理する組織に許可を受けると走行可能な場合もあります。またゲートが開いているからといって入るべきではありません。中には、ゲートが開いているからと入ったところ、帰ってきたらゲートが閉まっていて、出られなくなったというケースも聞いています。通行禁止と書くにはそれだけの理由があるのです。まずは、役場に聞いてみましょう。  

林道に入るための支度

 最近、山に入ると
「山を甘くみないで!」
という看板をよく見ます。これは何を意味しているか・・・99年8月にあったあの神奈川県玄倉川でのアウトドア災害を代表例とする、不十分な知識、そして不十分な装備による人災です。自然って、そんなに甘くないですよ。
 その為には、ある程度の災害を予想して、それなりの支度をして林道に入る。林道は、登山などと違い、それほど厳しいところに入る訳ではないですが、ひとまず車が故障したら、そんな山奥で携帯がつながる訳でもなく、何十キロも歩いて人里に出なければいけなかったりします。

パンク

確認するもの ジャッキ、スパナ、スペアタイヤの空気圧
 車で山に入る場合、一番多いトラブルはパンク、しかも大概がタイヤをバーストさせてしまうケースが多いようです。それらを修理するためには、まず車載工具の確認が必要です。また、4WD等の車についているだるま式のジャッキの場合、タイヤの空気が全部抜けた際に、ジャッキが車の下に入らないためにタイヤ交換ができないこともあるので、念のため、小さいパンダジャッキ等も持っていると便利ではないかと思います。

スタック・脱輪

確認するもの 土嚢袋、ソフトカーロープ、軍手
 普通に走っていればまずないことですが、ちょっとした不注意でタイヤを脱輪させたり、思わぬところに入ってしまうことがあります。複数台の車で行った場合は、ソフトカーロープ等は役に立ちますし、また通りがかりの車に協力を願って引き抜いてもらうこともできます。また少し土嚢袋に、石や砂を詰めて、タイヤの踏み台にすることにより、抜けられることもあります。  

故障・道の崩壊

確認するもの 地図、1日分の食料、毛布、懐中電灯、熊よけの鈴(笑)、はきなれた靴など
 バッテリー上がりにはじまり、ガス欠等の簡単な故障も、クラッチ板焼損や、エンジン焼き付け等の大きな故障も、山の中では車が動かないことには変わりありません。また、落石や土砂崩れ等で道が寸断されてしまったとき、そういう場所に限り、携帯電話は使い物になりません。
 トラブルが発生すると精神的にずいぶん重圧に感じるでしょう。その時に、タバコでも吸って、湯でも沸かしてカップ麺でも食って、地図でも眺めて覚悟を決めて下山することが大事だと思います。また、山の夜は寒い!2000m級の山だと、下界と12度ぐらい温度差があります。一眠りしようと思っても寒くて眠れないというのはよくある話です。真夏でも毛布の1枚があると心強いですね。

現地情報の収集

 入ろうとする林道名称がわかっている場合、その林道を管理すると思われる自治体(町役場等)に電話で確認するとよいです。地元の人にとって見ればその1本の道が通れるかどうかというのは非常に重要です。
 また、日本の山というのは、なんやかんやと誰かにより巡回されています。よく、殺人死体遺棄事件などで「こんな山奥捨ててよくわかるよなぁ」という話がありますが、どんな山奥でも、大概その山の管理者もしくは所有者がいて、巡回パトロールしています。人間の死体なんて40kg〜100kgもあるんですから、車でなければ運べないのが常でしょう。車が入れるようなところは、地元の人に言わせてみれば、山奥ではないようですね。
 話がそれましたが、そういう訳で、林道の情報は役場の土木課や観光課が持っています。ほとんどの役場の場合、代表番号に電話して「XX林道を走りたいのですが、通行可能でしょうか?」と聞けば、担当者に回してもらえるか、即答してもらえます。  

林道走行のマナー

 今林道で一番マナーが悪いのは・・・たぶん、中高年のハイカー族の方々でしょう。彼らはゴミを平気でポイ捨てするし、徒党を組んで林道を我が物顔のように占有してい歩いている方々も多々見かけます。
 よくでかい四輪車を批判される方が多いですが、四駆などの車は図体が大きく、ディーゼル車の「音」により、見た目迷惑をかけていそうですが、実際にはそうでもないです。
 最近林道に入られる方で、ガンガン飛ばして走っているのは、地元の方ぐらいで、あまり都市部から林道が好きでアウトドア等を目的で来られる方は、ゴミも捨てないしゆっくり走っているように見受けられます。
 当たり前ですが、その山を守っている方と共存していくために
  • 公序良俗に反する行為はしない
  • 地元車両を優先する
  • ゴミは捨てない(あまりにも当たり前)
  • 林道では制限速度を守る
  • 林道入口に書いてある注意事項はきっちり守る
といったことは最低限守っていきたいマナーだと思います。「林道は誰のモノ?」でも書きましたが、税金で作っている道だからといって、走れて当然といった気持ちで走っていると、いずれ走れる林道は激減していくでしょう。その地域でその林道を守ってくれている方々に感謝の気持ちを持って走りたいものです。
いつまでもこの自然、林道と共存していくために、ちょっとした気遣いをしていきたいと思います。
 

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last update 2002.3.4
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